第四章 蘇る約束

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『りゅうっておひめさまみたい』 『おひめ、さま?』 『いいなぁ~かやだっておひめさまになりたいのに…。でもなっちゃいけないんだもん』 『どうして?』 『だってパパがおひめさまになりたいんだって。だからかやがなっちゃいけないの』 『? パパがおひめさま…なの?』 『そう。パパ、かわいそうなの。おひめさまになりたいのにおとこのこだからなれないんだって』 『……』 『かやはパパがあこがれているおんなのこだから……だからおひめさまになりたいなんていっちゃだめなの』 『どうして?』 『だーかーらー、もう、りゅうはバカだね! おんなのこにうまれたってだけでかやはまんぞくしなきゃいけないの!』 『……よくわからない』 『わからなくていいよ、りゅうバカだもん』 『……じゃあぼくがかやちゃんをおひめさまにしてあげる』 『はぁ? なにいってんの? おひめさまになるにはおうじさまがいなくっちゃダメなんだよ』 『じゃあぼく、おうじさまになる』 『りゅうが? おうじさま?』 『うん。おうじさまになってかやちゃんをおひめさまにしてあげる』 『……』 『ね、やくそく』 『バ、バッカじゃないの! おうじさまってね、かっこよくてクールでせがたかくなくっちゃいけないんだよ』 『かっこよくて……くーる?』 『そんなこともしらないおこちゃまがおうじさまになんてなれるわけないんだからぁ』 『じゃあぼくがおうじさまになったらかやちゃん、ぼくのおひめさまになってね』 『……なれるもんならなってみなさいよ、それでかやをむかえにきておひめさまにするの、いい?』 『うん、やくそく』 『やくそく』 昔々のあの日……たった一日だけ遊んだ男の子と約束を交わした。
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