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「なんで約束……覚えていないんだよ」
「約束?」
それは昨夜の出来事の中にあったキーワードだった。
「俺は片時も忘れていなかったのに……酷い……酷過ぎる…」
「……」
「歌也ちゃんがいったんだからな、王子様になれって!」
「……へ?」
私を押し倒したまま顔を赤らめて言葉を吐き出す彼は今まで見て来た彼のイメージではなくなっていた。
歌也ちゃん……
お姫様……
約束……
王子様………
「……────あぁっ!」
その瞬間、先刻私が思い出しそうで思い出せなかったある事が繋がってひとつの記憶として掘り起こされた。
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