4.5話 : 私が殺された後の話。

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4.5話 : 私が殺された後の話。

冒険者「いっ……」 私は痛む頭を押さえながら、ゆっくりと起き上がる。ふと見上げると、そこには『はじまりの村 ガーネット』と書かれた門がたっていた。 ふむ、ここは最初のところのようだな。ということは、私はあの狼に殺されたわけだ。 ……あれは発生イベントの一つなのだろう。狼のレベルは50だったから、最初に一度殺されろということか。 私はまた村へと入るべく立ち上がる。アイテムなどは全てなくなっているから、たぶん先程殺られた山の入り口辺りに落ちているだろう。 ドロップアイテムが消える前に取りに行かなければ……。 だが、その前にもう一度村人たちに話しかけておこう。そう思い、私は外を歩いている村人に話しかける。 村人1「おや、あんたかい。情報なら村の酒場へ行くといいよ」 村人2「冒険者さんじゃないかい。ごめんなさいね、今日はもうあげられるものはないんだよ。また明日にでも来ておくれよ」 どうやら宝石は一日に一つ貰える物のようだ。あれは売れそうだったから、もう一つ貰っておきたいところではある。 それよりも、もう一度 酒場へと立ち寄ってみよう。 そう思った私は酒場へと足を踏み入れた。 冒険者「…?」 店に足を踏み入れた私は、少し、何かにひっかかった。それが何かまでは分からない。だが、確実に何かが変わっている。 不思議に思いながらも辺りを見渡す。客の数も、その顔も同じ。カウンターにいるダニエルにも何ら変わりはない。 ふとアイテムのことを思い出し、あまり長居は出来ないと踵を返す。ドアを開けようとした時、違和感に気がつく。 先ほどは、ここに誰かいなかったかと。 冒険者「誰か……」 だが、いくら考えても答えは出てこず、自分がどれだけNPCに興味がなかったのかが分かってしまう。 一度通った道や、一度見た顔なんかは覚えているのに、居たはずの者が居なくなっても顔すら出てこないとは………どれだけ周りに関心がないのだろうか。 リアルでも犯してしまうミスがゲーム内でも出てくるなんてな。私もまだまだという事か。 自分の未熟さに気がつき、重くなった足を踏み出す。そして酒場を後に、裏山へと急いだ。 ドロップ時間は10分。計算上、ここからだと余裕で間に合う。 ………………と思っていたのだが ない。ないのだ。狼に殺されたのは間違いなくここ。山に入ってすぐ、この木の側。そのはずなのに なぜ何もない!? まだ10分は経過していない。なのになぜだ!?!? ふと道の端に、1つ光るものを見つけた。草むらに隠れていたそれを手に取る。木を登るのに使うアイテムらしく、先ほどのクエストを受けた時に貰ったのだと気がついた。 だが、なぜ、これだけ落ちているのだろうか? 他のアイテムはどこへ行ってしまったのか? 私は現状に納得がいかず、もう少し山道を進むことにした。 もう少し、もう少しと足を進め、もうすぐ山の中腹までこようとしていた。 それでもやはり、私のアイテムは落ちてはいなかった。ロストしてしまったのだと諦めかけたとき、目の前から人が歩いてくるのが目に映る。 しっかりとした鎧をまとった男と、どこか見覚えのある鎧を身につけた子供。しかし、その子供の鎧は 何やらサイズが合っていないよう。鎧に着られているという言葉が似合いそうだ。 何かおかしいと思いながらも、その二人の横を通り過ぎようとする。 そこでようやく、その鎧が私のものだと気がついた。 冒険者「そ、その鎧はっ!!!」
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