……の、結果

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……の、結果

「お前のバカに本庄を巻き込むなよ」 細かい砂でザラザラした俺たちの服を洗濯機に入れて戻って来た有村が冷たく言った。 なるべく早く戻って来ると言ってた有村は本当にデートを早く切り上げたみたいで、びしょびしょのまま戻って来た俺たちがシャワーを浴びてさっぱりした頃に帰って来た。 で、帰って来て一発目の仕事が洗濯だったってことで…… 「ごめんね!洗濯も今からしようと思ってたの!ほんとに!」 「ふーん……」 「あっ掃除機かけようかな?砂が落ちてるよね?えー……とビール……出しましょう、か……」 「真紘……」 三人でダイニングテーブルを囲んでたら、有村が低く凄むような声を出してゆっくり立ち上がった。真紘はひっと身を縮めて、上目遣いで有村を見てる。 「お前……何かやましいことでもあんの……」 「ないっないよっ!」 じろり、と目ん玉だけが俺の方に向けられて、思わずぎくっとする。いや、俺は悪くねえぞ! 「どこまで喋ったの。正直に言いなさいよ」 「な、なにを?俺、なにも……」 「言わないとデコピンのパワーMAXにするよ」 「やだ~デコピンやだ~~ごめんなさい~~」 結果……俺が一言も話さないうちに昼間真紘が俺に教えてくれたことは全部有村にバレた。 「まぁ……予想はしてたけど。1パーの期待くらいはあったんだけどね」 「えー少ない~せめて10パー……ごめんなさい」 目線だけで黙らされた真紘は、椅子の上に足を抱えてきゅっと縮まってさ。背ぇ高いくせにほっそいから、すげぇコンパクト。 「今時ゲイもそう珍しくはないとは思うけど、俺はカミングアウトなんて面倒なことは絶対したくないわけ。本庄……はまぁ大丈夫と思うけど、問題はお前だよトリ頭」 「ごめんてばぁ……」 「ほら、デコ出せよ」 「やだやだやだやだやだ……ごめんなさいお願いしますデコピンだけは……」 真紘は本気でビビって涙目になってるけど、脅してる有村の目に微かに滲むからかいの色を読み取って……ホッとしてさ。 「先生、許してやってよ。今日すげぇ楽しませてもらったし」 頬杖ついて笑いながら有村に言ったら、涙目の真紘が「そうだよっ許してやって!」って……本人必死なんだろうけどおっかしくてさ。それは有村も同じだったらしい。 笑いそうな顔を肩で隠して真紘に背を向けると「今日の所はビール1ケースで手ぇ打ってやるよ。すぐ行ってこい」って言い捨てた。真紘がソッコーで行ってきます!って飛び出してったのは、言うまでもない。
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