切り札を握る者

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切り札を握る者

 サイバー対策の部署はないとはいえ、うちも県警の端くれ。警察署内には様々な資料が集まっていた。  それらを総合して判断すると、サイバー攻撃は海外から行われたが場所は特定できずというところだ。僕は知り合いのハッカーに尋ねて回り、2日後にある情報を掴んだ。 『これは、とんだ大物組織が関わっていたな』  その組織は主に海外でテロを起こしている過激派集団だ。資金を確保するために、このような犯罪を起こしたと思われる。  僕は爪を噛みながら、パソコンの画面を眺めた。 『ニーナワーの狐なら…何か知ってるかな?』  その人物にメールを送ると、意外と早く英文で返事が届いた。 【よう、ニンジャフーマ! いや、今はポリスマンだったな】  フーマというのは僕の仇名だ。学生時代に東京で腕を磨いたため、いつの間にか外国人からフーマと呼ばれるようになった。 【うちのポークが大変なことになっている。手を貸してもらえないか?】 【OK。今度TOKYOに行った時には、またいろいろな店を紹介してくれよ!】
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