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ごめんね。
過去の自分へこの手紙を捧ぐ。
あの頃のわたしたちはどんなときもいっしょだった。
弱虫なわたしをあの子がいつも守ってくれた。
将来もいっしょに住む約束をするくらい仲がよかった。
恋愛なんてまだ知らない幼い頃。
あの子には好きな子がいた。
こどもも好きだった。
だから家庭を持つふつうの幸せが似合う子だと思っていた。
でも自分といっしょに暮らす部屋の設計図まで描いて約束した。
大人になったらこんな部屋に住もうねと。
わたしたちは友達を越えた友達同士だった。
思い出すと切ない。
なんで素直になれなかったんだろう。
あの子は悪くないのに
なんてひどいことをしてしまったんだろう……
友愛から嫌悪に変わったあの眼が忘れられない。
それだけのことをした。
あの子を変えてしまった自分が悪い。
泣かせて泣かせて泣かせて
あの子の眼に修羅を宿させたーー
我が儘で残酷な自分が悪い。
そうなる前に謝るべきだった。
ごめんねと。
未来の自分より
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