第3話【男の娘の災難】

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 さっきまで居たビルの喫茶店に俺達4人は戻っていた。お茶とケーキ代は店の奢りとなっている。  シュンさんは下を向き終始無言。  やっぱりバレてしまった。女装はするものではない。今も一応女装をしたままだ。  「あの、色々すみません……」  俺はチョーカーを取り外し、謝っていた。  「シュンさんごめんなさい。新しい従業員を連れて来て欲しいと言われていたのに。でも、シュンさんもいけませんよ。私だけならともかく、他の女性従業員を連れて来てなんて。キャバクラじゃないんですよ!」  セツナさんがよく分からない事を言っている。  シュンさんはしきりに頷くだけ。  「いいじゃねーか。シュン、私はアンタの度胸を買うぜ」  スザクさんは言った。  「ところでスザクさんは何であそこに居たんですか?セツナさんに連絡をもらったにしても来るのが早いですよね?」  俺は疑問をぶつける。  「あぁ、あれな。セツナに頼まれて、ヘルプで後を追うように言われてたんだ。何かあったら困るだろ。シュンがぶっ倒れたりとかさ」  ぶっ倒れたのは、あの坊主頭だった。  気の毒に……。  「セツナさんのショルダーバックには何が入ってるんです?」  またまた俺の疑問。セツナさんのショルダーバックは少し重たそうだ。  「へへへ、内緒」  セツナさんはにっこりと微笑んでいる。  ひみつ道具でも入っているのだろうか。  「あ、あの……」  シュンさんが顔を上げた。  「じ、自分、アナタに一目惚れしました!」  シュンさんはスザクさんを見つめている。  「いいねぇ。私より強い奴なら付き合ってやるよ。ははははは」  スザクさんも斜め上の事を言っている。
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