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さっきまで居たビルの喫茶店に俺達4人は戻っていた。お茶とケーキ代は店の奢りとなっている。
シュンさんは下を向き終始無言。
やっぱりバレてしまった。女装はするものではない。今も一応女装をしたままだ。
「あの、色々すみません……」
俺はチョーカーを取り外し、謝っていた。
「シュンさんごめんなさい。新しい従業員を連れて来て欲しいと言われていたのに。でも、シュンさんもいけませんよ。私だけならともかく、他の女性従業員を連れて来てなんて。キャバクラじゃないんですよ!」
セツナさんがよく分からない事を言っている。
シュンさんはしきりに頷くだけ。
「いいじゃねーか。シュン、私はアンタの度胸を買うぜ」
スザクさんは言った。
「ところでスザクさんは何であそこに居たんですか?セツナさんに連絡をもらったにしても来るのが早いですよね?」
俺は疑問をぶつける。
「あぁ、あれな。セツナに頼まれて、ヘルプで後を追うように言われてたんだ。何かあったら困るだろ。シュンがぶっ倒れたりとかさ」
ぶっ倒れたのは、あの坊主頭だった。
気の毒に……。
「セツナさんのショルダーバックには何が入ってるんです?」
またまた俺の疑問。セツナさんのショルダーバックは少し重たそうだ。
「へへへ、内緒」
セツナさんはにっこりと微笑んでいる。
ひみつ道具でも入っているのだろうか。
「あ、あの……」
シュンさんが顔を上げた。
「じ、自分、アナタに一目惚れしました!」
シュンさんはスザクさんを見つめている。
「いいねぇ。私より強い奴なら付き合ってやるよ。ははははは」
スザクさんも斜め上の事を言っている。
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