2553人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうせっ……私は、ガキだしっ…ぐずっ…でも、橘さんだって…ひっく…酷い事しか言わないし…」
溢れる涙を両手で何度拭ってもなかなか止まってはくれない。
橘さんといると私は感情をコントロール出来なくなる。どうしてなんだろう?
「アンタ俺に大人扱いして欲しい訳?……してやろうか、大人扱い。」
橘さんの言葉にキョトンとしてしまう。そりゃあ私も23歳なのだから大人扱いが良いに決まってる。
「どんな風に?」
この質問がいけなかった。橘さんはニヤッと笑って私の顎を右手で上げた。
「そうだな…泣いた女はキスで慰めてやるとか、な。」
そう言って近づく橘さんの唇 。ちょっと待って!
「いやあああああああああっ!!」
唇が触れる前に私は橘さんを思いきり突き飛ばした。
「いてえな、お前が知りたがったんだろうが!」
ふざけないで!あなたはそれなりに経験がありそうだからいいかもしれないけれど私はファーストキスなのよ!?
あなたにだけは絶対あげたくないですから!
「行動で示せなんて言ってないです!どこでキスしようとしてるんですか!」
「ああ?いいんじゃねえの、キスくらい。」
橘さんはきっとこういう意味での女性の扱いにも慣れているのだろう。でも私はそのうちの一人になったりなんてしないから。
最初のコメントを投稿しよう!