想い合えて、何よりも最高

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橘さんは少しイラついた様子で、腕を握っている女性の手を外そうとしている。 「はあ?私は忍の為に来てあげたんじゃない。相変わらず眠れていないんでしょう?いいからさっさと中に入れなさいよ!」 女性はそんな様子の橘さんを気にもせず部屋の中へと入ろうしている。……橘さんの事を呼び捨てで呼んで、不眠の事も知っている女性。 そっと近づいて女性を見ると、服の中にメロンが2つ入っているのかというほど大きな胸。いつかの橘さんの言葉が頭に浮かぶ。 『あのデカい胸、何処に忘れてきた?』 橘さんが私を別の女性と勘違いした時、確かにそう言った。目の前の女性はとても胸が大きい、きっとあの時間違えられた女性に違いない。 もう連絡は取っていないと思ってたのに……その女性と電話していたの? 胸の中がチクチクと痛んで、このまま後ろを向いて走り去りたい衝動に襲われる。さっきまでは思いを伝える気でいたのに、今はその気持ちも萎んでしまいそう。 「だから、俺は今から出かけなきゃならないって何度も言ってるだろ!?だいたい何だよ、その大荷物は?「泊めろ」って言ったって泊めないからな、俺は!」 橘さんは本当にどこかに出かけたいのか、女性に対して段々言葉がきつくなる。橘さんの部屋に泊まる事もある仲なんだ。でも、そんなキツイいい方しなくても良いんじゃないの?前の話からして特別な関係の女性なんでしょう? 「何を言っているの?泊まるか泊まらないか、の決定権は私にあるのよ?忍の意見なんて聞いてないわ。いいからさっさとそこを退きなさい。」 私が心配するまでも無かったわ。女性はとても気が強いようで、橘さんはとうとう彼女を部屋の中へと入れてしまった。 冗談じゃないわ!私だって橘さんが特別な人なの、どんな女性にだって渡したくないわ。負けられない!
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