2553人が本棚に入れています
本棚に追加
私は途中から動かなくなっていた脚を叩いて歩き出す。あれだけ私を好きだと言ってこんなにアナタの事を好きにさせておいて、今更別の女性と橘さんの部屋で二人きりになるなんて許さない!
急いで橘さんの部屋まで行くとインターフォンを連打する。子供っぽい事をするなって、普段の私なら許さない行動だけどそんな余裕はないの!二人が部屋で何をしているか想像するだけで胸の奥がじりじりと焦げてしまいそう。
なかなか二人が出てこないからドアノブを掴んで回すと鍵は開いている。このまま開けてしまえば見たくない場面を見てしまうかもしれない。そう思ったけれど私はそのままドアを開けた。
「はあい、どちらさま……あらあ!可愛いお客様!!」
「え?あ……きゃあっ!」
ドアを開けるために玄関の傍に来ていたらしい女性に声を掛けられたかと思うと、そのままその豊満な胸の中へ抱き寄せられる。
く、苦しいです!メロンに窒息させられそうになる日が来るなんて。私は腕をバタバタとさせて彼女の腕から逃れようとする。
「おい、コラ!そいつは俺のもんだ!!勝手に触るんじゃねえよ!」
私の限界に気付いた橘さんが私を助け出してくれる。それにしても、俺のもんだ!だなんて、言われた言葉に頬が熱くなる。
今度は橘さんの腕に包まれた私。女性は最初驚いた様子で橘さんを見ていたが、今度は私の顔をじっくりと見ている。
そのまま女性の腕がまた伸びてきて___
「離しなさい、忍!いくらアンタのストライクゾーンが広くても三十路のアンタに高校生に手を出させるわけにはいかないわ!!この小動物の事は私に任せないさい!」
え?橘さんって三十路だったんですか?っではなくって、もしかして高校生の小動物って私の事を言っているの?
最初のコメントを投稿しよう!