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「誰が三十路だ!?俺はまだ29歳だし、コイツはしっかりとした社会人だ!アンタの好みは昔から変わってねえな。だからコイツと合わせたくなかったんだ!」
片手を橘さん、もう一方の手を女性から引っ張られる。
えええ?どうして今私の奪い合いがここで行われているのですか?想像していない展開に私の頭は全くついていけないでいる。
「そんなすぐにバレる嘘を言って。……ねえ、お嬢ちゃん。コイツは私みたいな心と身体を持つ女じゃないと満足させられないと思わない?こう言っては何だけれど、貴女あっちもこっちもペタンコよねえ?」
「ちょっとオマエ何言って!?」
「黙りなさい、忍。これ以上一言でも喋ったらどうなるか……分かってるわよね?」
橘さんは女性の言葉に驚いて私たちの間に入り込もうとする。けれど女性が睨みつけると橘さんは悔しそうに黙り込んだ。女性の方が立場が上らしい。
女性の言う通り、確かにあなたみたいなメロンとは天と地ほど違うとは思いますけど……それでも橘さんはいいって言ってくれたんです。
「気持ちの面では貴女に負けているとは思ってません。私は今持っているこの想いでそれはカバーします。」
女性の眼を見てハッキリという。私はまだ橘さんと肌を重ねたことが無いから、そんな大人の事情は分からない。私が出来ることはこの想いを橘さんに伝える事だけ。
「そうね、でも私のような女が傍にいるのよ?貴女のその身体ではすぐに忍は物足りなくなってしまう……そう思わない?」
彼女の余裕な表情は崩れることは無い。それどころか彼女は私の覚悟を試すかのように追い打ちをかけてくる。やはり私は彼女にとって邪魔な存在なのだろう。
「橘さんは私が「いい」って言うまで待ってくれると約束してくれました!身体1つで好き嫌いが変わるのなら私は肌なんか重ねなくても構わない、橘さんだってそう言ってくれるはずです。」
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