想い合えて、何よりも最高

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「はあ!?」 橘さんの大きな声が響く。私の思った事と橘さんの思った事はどうやら違っていたようだ。両手で頭を抱えだした橘さんをみて、少しだけ申し訳ない気持ちになる。 「あは!あははは!ちょっと、もうお腹が痛いんだけど……忍は貴女にまだ手を出していないのね?手の早いこの子がねえ、余程貴女の事が好きなのね?ねえ、忍。この子の信頼が得られるまでアンタちゃんと我慢しなさいよ?」 女性は思いきり笑い出ししばらく笑い続けた後にゆっくりと話し出した。ああ、やっぱり橘さんって女性に手が早かったんですね。でも橘さんの事をって? 「ああ、オマエが余計な事をしてくれた所為で完全に信頼を失った気分だけどな!!変な芝居しやがって、クソ姉貴!」 くそ姉貴?……姉貴って橘さんのお姉さん!? 「やだわ、こんな可愛い子を独り占めした罰よ?可愛いモノはみんなで仲良く分け合いましょうよ?」 スルッとお姉さんの腕が私の腰に回る。どうやらお姉さんは私の容姿がかなり気に入っている様子。 「コイツは俺のだって言ってるだろうが!!アンタも、俺への告白は俺に言え!姉貴に向かって言われたら俺の立場がねえだろうが!」 そう言ってまた私は橘さんの腕の中に。ちょっと、私の意見ははっきり言ったはずなのになぜまた取り合いになっているの? そうだった。私は今日橘さんに想いを伝えに来たのだったわ。私の勘違いで私の告白はお姉さんに向かって言ってしまった。どうやらその事でも橘さんをガッカリさせてしまったようだ。 「でも、お姉さんが……」 お姉さんに私の気持ちは言ったけれど、橘さんに伝える時は2人きりがいい。
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