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「だとよ、姉貴はもう帰れ。何しに来たのか知らねえけど。」
橘さんが片手でしっしとお姉さんに帰るように促す。お姉さんは怒った顔もせずに肩をすくめただけだった。
「まあ、私は優しい姉だし今日は気を使って帰ってあげるわ。ああ、荷物の中の枕は好きに使っていいわよ?忍に合うのがあると良いけれどね。じゃあ、小動物ちゃんまた会いましょうね?」
そう言ってお姉さんは玄関からひらりと姿を消した。何というか橘さんも個性が強い人だと思っていたけれど、お姉さんはそれ以上だったわ。
「何というか、もの凄いお姉さんでしたね?」
「ああ、って今言う事はそれじゃねえだろ?まだ俺に待たせるつもりか?」
強く抱き締められたまま、彼は私の言葉を待っている。今までずっと待っててくれた。
これからもずっと私だけを特別な存在にしてください……
「橘さんの事を誰より好きになりました。アナタを、私の王子様にしてあげます。」
「俺もアンタを俺のお姫様にしてやるよ。」
最初は睨み合って、そして笑い合って……そして抱き合える。
そんなアナタとしか出来ない恋愛をこれからしていきましょう?甘いだけじゃない、苦くてしょっぱくてもいいじゃないですか。
少しだけ距離を置いてゆっくりと唇が触れ合う。
今までで一番気持ちの入ったキスを何度もして、照れた顔をお互いに笑い合った_______
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