番外編①お付き合いのい・ろ・は

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番外編①お付き合いのい・ろ・は

今日は木曜日、週末に会えるかどうかを確認する日。この連絡の取り方は付き合う前の頃から同じやり方を取っている。別にその事に私は不満はない。 そう、今私は2人のお付き合いに対して不満を感じているのだ。 「土曜も日曜も二日とも来れるか?俺が迎えに行ってもいいけれど……しかし不便だな。」 前は土日のどちらかを橘さんと過ごしていたけれど、今は用が無ければ二日とも橘さんと同じ時間を過ごすようになった。そう望まれてしまったから。 橘さんが不便と言っているのはある事に対してだ。私と橘さんはお付き合いをして数週間経つが、まだキス以上は進んでいない。約束はきちんと守られている。 だけれど、橘さんはやっぱり不満らしく、遠回りだけれど私に外泊してほしそうな言葉を隠して伝えてくる。もちろん私はまだそんな気持ちにはなって無いし、まず最初にするべきことはそれじゃないと思うの! 「分かりました。では二日間お迎えお願いします。ねえ、橘さん。私は……あの。」 「ん?今、言いにくい事なら今度会った時にちゃんと聞いてやるよ?あ、やべ。ナベが沸騰してるわ。じゃあ、またな?」 橘さんに一方的に通話を切られて私の中の不満はますます大きくなる。何がそんなに不満なのかって? 私はこの橘さんとのお付き合いが生まれて初めての交際となる。それなのに私たちの関係は今までとほとんど変わることなく、橘さんの家で車の雑誌や小説読んで枕を務める。お昼になれば二人で台所に立って料理を始めたり。これはもう交際ではなく夫婦みたいじゃない? 違うの!私だって初めてのお付き合いのなのだから、それなりに初々しい事がしたいの!外で手を繋いで散歩したり、橘さんと二人で可愛いお店を見て回ったり……それか、橘さんが今までの女性たちにしていたような大人のデートに連れて行ってほしかったりもする。 私はこんな所帯じみた女なのかもしれないけれど、初めての交際にこれくらいの夢は持つ普通の女の子だって分かって欲しいのよ。
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