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似合う似合わないで言ったら何度見ても似合ってるとは言えない。
だけど橘さんはそういう風には考えないと言いたいらしい。
さっきは自分の隣には背の高い美人が似合うって言ったじゃない……
「アンタさ、透子さんと全然似て無いのがコンプレックスなのかもしれねえけど、アンタの方が可愛いって言ってくれる男もいるだろ?」
橘さんはそれが当たり前だとでもいうように簡単に言うけれど、そんなことは一度も無かった。
「ありませんよ。高校までは姉のおまけみたいな存在で、それが嫌で大学も就職先も離れた場所を探しましたがそんなこと言われたことありませんよ。」
何てこと無いように言わないと自分がとてつもなくみじめな女に感じてしまう。
姉よりも無駄に高いプライドだけが私を奮い立たせ続けている。
「それはアンタの容姿の所為じゃねえよ。問題があるのは性格の方だ。……アンタは甘え方を知らねえんだな。」
私の問題点は性格?
そりゃ、橘さんにはツンケンしてるかもしれないけれど、誰かれ構わずこんな態度な訳じゃないと思う。
「甘え方……?」
この言葉がよく分からない。
「そう、アンタの容姿で可愛く甘えられたらコロッといく男もいるんじゃねえの?俺はアンタの本性を知ってるからまずねえけどな。」
私が可愛く甘える?ちょっと想像できない。それくらいで私を好きになる人なんているのかしら?
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