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甘えるだけでいいのなら、橘さんの言う通りすれば誰かに好きだと言ってもらえるのかもしれない。
だけど―――
「私は、素の私を好きだと言ってくれる人に出会いたいです……」
多分これは譲れない事。ツンケンしてても可愛くなくても、そんな私を好きだと言ってくれる人が良い。
「あっそ、せっかく俺がアドバイスしてやってんのに。」
橘さんは面白くないという顔をしているけれど、私は意外と自分の事を見てくれてるんだなって少し嬉しかった。
「参考にはなりました。ありがとうございます。」
ペコリとお辞儀すると橘さんの舌打ちが聞こえる。思い通りにならなくて残念でした。
「何度も誰かさんに走らされて腹減った。メシ行こうぜ?」
橘さんはスタスタと歩きだす。私は彼と身長差があるので小走りでなければ彼に付いて行く事が出来ない。
少しは気を使ってくれてもいいのに!前を歩く背中にあかんべーをしてついて行く。
「ちょっと、お昼はお姉ちゃんや瑞樹君と合流しないんですか?」
橘さんと二人きりじゃご飯が美味しくなくなりそう。
「デートの邪魔しちゃ悪いだろ。オレと一緒が嫌なら別々でもいいぜ?アンタが女一人で気にせずに食えるんならな。」
ムッカアアア!!!
いいですよ?食べれますとも。女一人でも平気ですとも!!
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