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「それじゃあ、一時間後に合流しましょう。」
私はくるりと橘さんに背を向けて、パンフレットを開き好みの店を見つけ歩き出す。
あ、ここのデザート美味しそう。
サクサクと歩いてお店につく。流石に休日でテーマパークが混んでるからレストランも混んでる。
家族連れやカップルの中にポツンと一人並ぶとやっぱり橘さんと一緒の方が良かったかな?って考えたけれど頭を振ってそんな考えは捨てた。
こっちの方がストレスを感じなくて済むもん。
そんな風に考えてると、列の後ろから急に押されて転びそうになる。
「キャッ……!」
前の人に頭からぶつかりそうになった時、上半身がふわっと浮いた。
「!!?」
振り向くと橘さんが私のお腹の前に腕をまわして私の上半身を軽々と浮かせてる。
「アンタ、前くらい向いて歩けねえの?」
不機嫌に言うけれど私のお腹に回った腕はまだ外されていない。
「お、降ろしてっ!」
私は男の人とこんなに密着したことは無い。焦ってバタバタと暴れてしまう。
「暴れるな、余計に目立つだろうが。」
橘さんに言われて暴れるのをピタリと止める。こんな姿を何人もの人に見られてるなんて……すっ転んだ方がマシだった。
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