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はあ!?
私が何でしゃがんだか分かりますよね?
アナタが落とした小銭を拾ってあげたからですよね?
普通はパンツ見えてても、もっとオブラートに包んだいい方しますよね?
だいたいパンツ?それがどうしました?今日のはとびきり可愛いやつなんです。
じゃなくってーー!
目の前の男の発言に混乱しながらも、パンツを隠すために立ち上がる。
「ああ、ありがとうございます。」
さしてありがたくも無いと言わんばかりの礼を言って、男は私の手のひらから小銭を取って去ろうとした。
「あ、あ、あなたねえ!」
思わず男を呼び止めてしまったが言葉が続かない。私はこの男に何を言いたいのだろう?
「まだ何か?」
無表情の男の顔を見て、今日の辛い出来事が一気にプレイバックしてしまう。
なに?何なの今日は?どうして私がこんな目に会わなきゃなんないの?
面倒くさそうに私の言葉を待つ男の顔が滲んで見えなくなってしまう。
「……は?何で泣いてんの、アンタ?」
男の言葉で私は自分が泣いていることに気付く。
気付かされて事で崩壊した私の涙腺は、嫌な男の前でも止まることなく涙を流し続ける。
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