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お風呂から上がってスッキリして部屋に戻るとピカピカ光ってるスマホ。きっと橘さんだろう。
履歴を一つずつ見ると50件以上の着信があった。怖いです、橘さん。
その中に一つだけあった柴山透子からの着信。お姉ちゃんからだ、珍しい。
スマホのリダイヤルを押していそいそとかけ直す。私はこんな性格だし、瑞樹君の事もあって姉にはツンツンとした態度を取ってしまうが私は結構シスコンだ。
『もしもし、祥子?』
「もしもし、お姉ちゃんから掛けてくるなんて瑞樹君との交際報告以来じゃない?どうしたの?」
どうしてもツンツンな言葉遣いになるのを押さえようとしても、照れてしまって余計にそうなってしまう。でも姉はそんなことは気にしない。そんな私をずっと可愛がって来てくれた。
『あのね、前に一度瑞樹とパンケーキを食べに言ったお店があるんだけど。祥子もパンケーキ好きだったわよね?今週の日曜、祥子が暇だったらいかない?』
「暇、凄く暇だったの。行く。パンケーキ大好きよ。」
パンケーキは好きだが久しぶりに姉が誘ってくれたことが嬉しかった。
レジンと小説は夜でも大丈夫だから姉とのお出かけが優先だ。
『良かった、じゃあ日曜に祥子の最寄り駅に10時に着くように来るね。』
「分かった。駅を間違えないでよ。お姉ちゃん。」
そう言って通話を切った。橘さんからの鬱陶しい着信で濁った気持ちが、姉からの誘いで全部吹き飛んだ。
「ふふ、たのしみ~。」
スマホを胸に抱き日曜の事を考えて幸せな気分を味わった。
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