呼び出されてとっても最悪

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さっきから橘さんがしきりに触っているオデコに手を伸ばして触れてみる。 やっぱり熱は無いから、不眠の所為で痛むのだろう。私が触れている手の上から橘さんの手のひらが重なる。何故? 「このアンタの手も気持ちが良い……。冷たい訳でも何でもないのに。口は悪いし、苦しんでる俺を無視して姉とのデートにはいそいそと出かける冷たい女のくせに……。」 褒めるか貶すかどっちかにしてもらえませんかね?大体そこまで苦しんでるなんて説明されていなかったし。……まあ、私も聞こうとしなかったのだけど。 「そんなこと言うと助けてあげませんよ?困るのは橘さんでしょ?」 「それはダメ。今日この後家に来い。透子さん達にはちゃんと許可取ってるし、枕以外の事はしねえから。」 結局命令形になるんですね。枕以外の事って何ですか?よしよしでもして欲しいんですかね? 「分かりました。なるべく遅くならないようにしてください。私実家に住んでるので遅くなると両親が心配するんです。」 「了解。じゃあ、俺と綿貫君はそこらで時間潰してくるからアンタは透子さんとのデート楽しんで?」 そう言って橘さんは立ち上がり姉たちのテーブルへと向かっていった。 姉や瑞樹君と何かを話した後、瑞樹君と橘さんは店から出て行ってしまった。 姉が店員さんに声を掛けて私のテーブルに移動してきて、微笑んでくれた。 「橘さん、どうしても祥子に会わせて欲しいって何度も頼んできたの。今日祥子が頼みごとを引き受けてくれて、祥子はやっぱり優しい人だったって。橘さんは本当の祥子を分かってくれてるのね。」 ご機嫌な姉には本当の事は話せず、その事は忘れて二人でパンケーキを楽しんだ。 食べた後はお店で扱っているアクセサリーなどの小物などを眺めて楽しんだ。
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