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でも、このままじゃ……簡単に予想できる未来に俯き唇を噛む。この人の前でまた泣くくらいなら、謝る方を選ぶわ！
もう勢いよく謝ってしまおうと顔を上げると同時に車が止まる。
目の前には朝と変わらない我が家。……え？私、間に合わなかった？
「ほら、ここだろ。早く帰れ。」
橘さんはしっしと追い払うような手つきを私に見せた後、助手席のドアロックを解いた。
「あ……の？いいんですか？」
私をあれほど困らせていた橘さんは、もう私には興味も無さそうな顔で前だけを見ている。
「ああ、俺の気が変らないうちにさっさと帰れ。その代わり俺のブロックと着信拒否は解除しておけよ？」
「はい……分かりました。」
そう言ってドアを開けると、ドアの前に父の姿。ああ、もう駄目かも？
「ああ、貴方が瑞樹の友人ですか？瑞樹から友人に祥子を送ってもらうと連絡を貰ってます。どうもありがとうございました。」
助手席から橘さんに挨拶を始める父。瑞樹君が……何だって？
私と橘さんの目が合う。また私たちは瑞樹君の手のひらで転がされていたらしい。
こうなることを予想して彼はさぞ楽しんだことだろう。やはりいつか仕返しをしなくてはいけないようね。
社会人の顔とやらで対応をしている橘さんに父は好印象を持ったようで話し込んでいた。
橘さんが帰りやっと長い１日が終わった気がした。お風呂でお気に入りのシャンプーを使おうとして手が止まったけど、気の所為にして沢山使って念入りに洗っておいた。
布団に入るとすぐに眠りについて、なんだか楽しい夢を見てふわふわと笑ってた。
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