2552人が本棚に入れています
本棚に追加
後片付けをして時計を見るとまだ6時前。橘さんが送ってくれるのなら9時くらいに家に着けば問題ないだろうから後二時間くらい時間がある。
「橘さん、まだ時間有りますけどもう少し眠りますか?」
眠った時間が少し短かったのではないかと思い聞いてみる。まだ目の下の隈も残ってるし心配じゃないとは言い切れない。
「いいのか?アンタ早く帰りたいんじゃねえの?」
橘さんは変な所で気を遣うのね?前回は無理やり連れてきたくせに……こっちの調子が狂うじゃない。
「橘さんが十分寝たって言うのなら遠慮なく帰らせてもらいますよ?でも寝足りなくて今日みたいに半分倒れたような状態で寝ていたらって心配はしたくないですから。」
「は?アンタが俺の心配なんてしたら、槍が降るんじゃねえのか?……そういや料理なんてしてくるし、もしかしてアンタ俺に惚れたのか?」
……私が貴方を好きになるような出来事なんて、出会ってからこれっぽっちもありませんでしたよね?どこからその発想が出てきたのか知りたいですよ、橘さん。
「その自信がどこから湧き出て来ているのか理解に苦しみます。」
「ああ?チビよりはモテるぞ、俺は。」
そうですね、見た目だけは良いですもんね。逆に言えばそれだけで後は欠点だらけに見えますけれど。瑞樹君は橘さんの事をやり手の営業マンみたいに言っていたけれど、私が見たことある訳じゃないし。
「馬鹿にしないでください。私だって「好き」って言われたことくらいありますよ。」
……小学生の頃の話だけど。そういえば彼にはもう半年ほど会っていない気がする。元気にしているだろうか?相変わらず読書ばかりの生活をしてるのかしら?
「それくらい俺はしょっちゅう言われてるけど?どうせチビの事だからガキの頃の話だろ?」
最初のコメントを投稿しよう!