予想外の展開で本当に最悪

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見栄を張って言った言葉の真実をあっさりと橘さんに当てられてしまった。 そう、それは私が小学生の高学年時の話。あの時の彼にはその後何度も会っているけれど、「好き」という言葉を貰ったのはたったの一度きりだった。 「真面目な彼が言ってくれた言葉だったから、子供の頃の事でも大事な思い出なんです。女と見ればこんなチビガキ相手でも触ろうとする橘さんには分からないでしょうけれど!」 触らないと何度約束しても無意識に触ってくる橘さん。今度眠るときは手を縛ってしまいたい。 「俺は脚を出してくるなって言ったのに、チビがショートパンツなんか履いてくるからだろうが!」 「ちゃんと下にレギンス履いてきてるでしょ!?アレもコレもダメなのに「お洒落は手抜きするな」なんて無理言わないでください!」 橘さんは注文が多すぎるわよ!だったらトレーナーにジャージのズボンでいいじゃない! 「そんな薄い一枚は着てないのと変わらないだろうが!太腿の感触をダイレクトに味あわされている男の俺の身にもなってみろ!」 「知りませんよ、そんな橘さんの事情なんて!!どこかで修業でもしてちょっと煩悩捨ててきてくださいよ!」 結局またギャアギャアと言い合いながら寝室へと入って行く。そういえば次からリビングでって言う話は何処に行ったのだろう?今日は私が寝室に突撃したから今更聞けないけれど。 寝室のベッドの上で橘さんは私の脚の感触が分からないように平ぺったいクッションを置いてみたけれど、何故かそうすると全く眠気が襲ってこないらしくそのクッションは外されてまた私の脚の上で直接眠ることになったのだった。 たった二時間の間にもやはり橘さんの手が私の脚を触ってくるので、次はこそは縛ってやろうと固く心に決めたのだった。
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