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愛知の親戚にも顔を出し、結婚式で涙を流す花嫁と話し問題なく私の週末は過ぎて行った。
橘さんはちゃんと眠れただろうか?「眠れましたか?」と打って送ったラインに返事が来ることは無かった。
火曜日。今日は定時で帰る事が出来て、夕食前にゆっくりとバスタイムを楽しんでいた。私は柑橘系の入浴剤でしっかりと体を温めてからお風呂から上がった。
部屋に戻るとスマホにラインが着ていたので開いてみる。
「今から来れるなら来い。」
橘さんからのラインだったが、私は首を傾げる。何故ならもうすぐ7時。こんな時間に橘さんに帰らされることはあっても呼ばれたことなんて無かった。こちらから「どうして?」と送ってみても既読すらつかない。
私は段々と不安になってきて、橘さんの家まで行くことにした。少し濡れている髪は梳いてそのままに。お洒落なんて余裕はないから簡単に着れて外に出ても問題の無いような服に着替える。
スマホと財布をバッグに入れて階段を駆け下りると、ちょうど帰ってきた父が「心配だから」と車で橘さんの家の近くまで送ってくれた。
私はこの家に来る時階段を駆け上がってばかりな気がするわ。そう思いながらも急いで階段を上がって橘さんの部屋のインターフォンを鳴らす。
今日は倒れてないわよね?
そっと開くドアの向こうに頭を手で押さえている橘さんが見える。私はこちらからドアを引っ張って急いで中に入る。
「大丈夫ですか、橘さん。」
「大声出すなよ、うるせえな……ほら、ベッド行こうぜ?」
暗い室内で慣れた手つきで私の腰に手を回わし、強引に寝室に連れて行こうとする橘さん。
……何か、様子が変だわ?
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