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ぶっちいぃぃぃぃ!!私の中の脳内の血管が軽く10本は切れたんじゃないのかしらっ!?
小さくて悪かったわね!?どこにも忘れて来てなんかいませんよ!
もういいわよね?私はもう十分すぎるほど、我慢をしたと思うわ。私は橘さんが胸に気を取られている内に、横に置かれたままになっていたバッグを手に握りしめて……
「気付きなさいよ!こんのっ、馬鹿しのぶっ!!!」
その角で思いきり橘さんの顔面を殴ってやった。流石の橘さんも顔面はダメージが大きかったのか、私の上から降りて顔を抑えてる。ふんっ!ざまあみろだわ。
「アンタ、まさか……祥子か?」
「そうですね。そうでしかありませんけどね?呼んでおいて人間違い言ってどういう事なんでしょうか?」
橘さんが私を「私」だと認識したと同時に、尋常ではない程の怒りの感情に襲われる。
私は橘さんの事をここまでサイテーな男だと思いたくなかったのかもしれない。
だけど……
「……俺はアンタ以外の相手とはこんな方法でしか寝れないんだ。だから俺にはアンタが必要だった。」
「理解……してあげたいけれど、してあげれません。」
橘さんの行為を認めるのは何かがとても嫌だった。その何かが何なのかは分からなかったけれど。
「分かってるよ、俺はアンタにだけはこんな嫌な思いさせるつもりは無かったし。もう無理に来ることなんてねえよ。」
橘さんは私の顔を見ようともしない。真っ暗な寝室で影しか見えないことに苛立って、私はリモコンを取って室内灯を付ける。
「付けるなよ、電気。」
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