呼び出されてとっても最悪

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呼び出されてとっても最悪

初めの連絡方法はラインだった。 登録した覚えもないSHINOBUさんから来たラインは、『日曜11時に○○駅で。』とだけ打ってある。 私はこのラインに既読を付けてからスマホをベッドに放り投げた。 なんで私が橘さんの最寄り駅まで行ってあげなきゃならないの? 橘さんにとってはいい枕が見つかったな程度の事だろうけれど、そんなことで呼び出されるなんてたまったもんじゃないわ。 今週の日曜は読まずに溜めておいたお気に入りの携帯小説を一気に読んだり、レジンのアクセサリーを作ったりする予定なんだから。 こっちが応じないでいれば橘さんはすぐ諦めて次の枕を探すだろうと思ってた。 放り投げて10分もせずに鳴るラインの通知音。もう、面倒くさいな! スマホを取って中身を確認。開いてみると『返事は?』たったこれだけ。 ねえ?橘さんが頼んでる側なのに何でこんなに上から目線なの?何で当然の様に私が言うことを聞くと思っているのかが分からない。 既読を付けてしまったがもう一度無視。 放置しておけば何度もなる通知音。うっわ、爽やかな顔に似合わずしつこい人…… 『おい、返事しろ!』『既読になってるだろうが!』『チビ、無視すんな!』 三通目のチビ呼ばわりにカチンときて『行きません』とだけ返して橘さんをブロック。 ああ、これで静かになるわね、なんて安心していたら今度は違う通知音。 あまり聞かないこの音はショートメールだわ。開いてみればやっぱり橘さん。
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