2539人が本棚に入れています
本棚に追加
/297ページ
再会したけどやっぱり最悪
「僕が四人分のテーマパークのチケットを当てたんだ。せっかくだから祥子もおいで?」
聞きなれた優しい声で誘ってくれているのは、大好きな幼馴染の瑞樹君。
少し前に失恋してしまったけれど、今でも大好き。
「うん。でも瑞樹君お姉ちゃんと二人きりが良いんじゃないの?」
ホントは二人が仲良くしている姿を見るのは辛い。でも二人とも大好きだから私はちゃんと祝福しなきゃいけない。
「はは、大丈夫だよ。僕がもう一人誘っているから。祥子も仲良くなれそうだと思うよ?」
「四人分だもんね。もう一人の人って男の人?女の人。」
なんとなく女の人が良いなあって思った。数日前に出会った男が最悪すぎて、しばらくは会社以外で男性とは話したくない。瑞樹君は別だけど。
「男の人だよ。年は29歳だったかな?カッコイイよ。」
男かあ…瑞樹君は笑ってるけれど、私には瑞樹君よりカッコイイ人なんていないんだよ?
「そっか。瑞樹君が言うならきっとカッコイイね。同じ会社の人?」
「いや、取引先の人なんだけれどね。絶対断ってくるかと思ったけど意外にもOKだったからね。楽しみだよ。」
クスクスと笑っている瑞樹君は大体意地悪な事を考えている時だ。どうやら一緒に来る男性で遊ぶつもりなのだろう。可哀想に……
「来週の日曜なんてどうかなって思っているんだけど、祥子はどう?」
スケジュール帳を確認して返事をする。
「大丈夫、空いてるから。」
「じゃあ日曜にね。お洒落しておいで?」
謎の言葉を残して瑞樹君の電話は切れた。
最初のコメントを投稿しよう!