予想外の展開で本当に最悪

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予想外の展開で本当に最悪

橘さんの家に行った次の日、私もぐっすり眠ってスマホのアラームで目を覚ました。 スマホを見るとラインの通知。橘さんから一言だけ「ありがとう」と。送られてきた時間は夜中の3時。あれから眠ることは出来なかったのかとガッカリしてしまう。 私が橘さんに膝枕しても一時的な効果しかないようだ。毎日彼の枕になってあげることは不可能だし、何か他に眠る方法を探す必要アリだわ。 照れ臭くて返信は出来ずに、スマホを置いて出勤の準備を始める。 自信過剰なワガママな同期も、セクハラ上司も橘さんに比べたら可愛いわ。今日も一日頑張らなくっちゃ! 仕事を終えてラインを確認する。瑞樹君からの揶揄いのラインに怒りマークのスタンプを送る。 何を企んであんな事をしているのかは知らないが、今度の土日は仕返しにお姉ちゃんを奪ってやろうかとも考える。 『ピコン』と音がして、確認するとまた瑞樹君。 「祥子、どんなことがあっても橘さんの家でお風呂に入っては駄目だよ。」 はあ?どうして私が橘さんの家でお風呂に入らなきゃいけないの? 意味が分からず「どうして?」と返した。すぐに送られてきた瑞樹君の返事にますます意味が分からなくなって、私は考えることを放棄してスマホを投げた。 橘さんからは何も連絡来なかったな。番号を教えて初日はもの凄かったのに。 瑞樹君には怒ってみても暖簾に腕押しだから大して張り合いがない。何でもポンポン言い合えて、怒った顔を見せる橘さんの方との会話の方が何となく楽しく感じられるから不思議。 初対面から印象最悪で今も嫌いで嫌いでたまらない人のはずなのに。
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