第6章 平和

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薬のせいで情報送信ができない416番は、笠無が持つCの情報と、風間の身に起こった状況とを照らし合わせ、風間が既に操られている可能性が高いと、急遽電話で知らせたのだ。 そして、その内容は既に保護課へ共有されていた。 416番曰く、逢糸と名乗る少年の能力は“操作”と言い、触れた人間を自由自在に操る能力だった。 その為、逢糸に肩を触れられた風間は、いつ能力で操られてもおかしくない状態なのだ。 「風間さん、だいぶ落ち込んでました…」 「だろうな。 まぁ、いつどうやって能力使われるかわかんねーこのご時世で、気抜いてる奴もどーかしてんだろ。 それに、アイツ第一のエースだろ? 世も末だな。」 そう言って、陽炎は乾いた嗤いを保護課に響き渡らせる。 「他人事じゃないですよ! 僕達だって、いつその“逢糸”って言う人に遭遇するかわからないんですから。 それに…風間さんはヒールじゃないんです… 正義感のあるヒーローなのに…」 「正義感あるヒーローだとしても、気が緩んでいた事も、今は危険な状態である事も事実。 それに、時として過度な正義感はとても危険なんだ。 保護課に居る君なら、薄々気付いてるんじゃないかな?」 雷雲の言葉に新指は返す言葉が見つからなかった。 「あぁ!そう言えば!過度な正義感振り回して、“ならず者”に移動させられた人居たっけな~。」 下唇を噛みしめる新指を他所に、陽炎はとぼけた声を出しながら座っている椅子をクルクルと回し始める。 「え…それって…?」 少し驚いた表情の新指に、陽炎は悪戯な笑みを浮かべた。 「知りたいか?なぁ?知りたいだろ? ヒントやろうか? ヒントはな?お前のせ・ん・ぱ・い。」
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