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3.理想
「だーかーらー!
何で能力は電気のクセして機械音痴なんだよ!」
「ご、ごめんね…
年寄にはむずかしくて…」
その日の午後6時。
保護課に戻ってきた新指の目に飛び込んできたのは、警察のトップ、雷雲に激を飛ばす陽炎の姿だった。
「ちょ、陽炎さん!!!
と言うか何で長官がここに!?」
「久しぶりじゃないか!新指君。
416番君の代わりに仕事を手伝いに来たんだよ。」
「邪魔にしかなってねーけどな。」
新指を見てにこやかになった雷雲の表情が、陽炎の一言で一気に曇った。
(いや、そもそも長官ともあろう人がやる仕事じゃないでしょ…)
そう新指は思いながらも、ここでは常識が通用しない事を思い出し、胸にしまい込む。
「てか、お前直帰じゃねーの?
あの頑固野郎人遣い荒いもんな。」
雷雲への扱いを棚に置いた陽炎の言葉に、新指は驚きながらも苦笑いしかできなかった。
「で?ショック受けてた?操り人形のヒーロー様は。」
集中力の切れた陽炎が雷雲から離れ、新指の方に視線を変えた。
捜査第一課で風間と話していた時、創地のスマートフォンを鳴らしたのは謹慎中の416番だった。
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