第6章 平和

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一方、その頃。 創地は留置所に居る風間を監視していた。 勿論、風間を逮捕した訳ではなく、いつ操られるか不明であるが為の措置だった。 「すまんな…こんな所で… 明日からは保護課でフォローできるよう上司に許可を取った。 今日だけは我慢してくれ。」 創地は、鉄格子の外にあるパイプ椅子に座りながら風間に声を掛ける。 風間はスーツの上着を脱いだ状態で、折りたたんだ布団の上に項垂れながら座っていた。 「いえ…俺が不甲斐無いせいです… 先輩にも迷惑かけてしまって…」 風間の自信が消え失せた様は、夕方と別人のようだった。 それに、仕事中は“私”だった一人称も、“俺”に変わっている事から、そうとう余裕が無いのだろう。 「やっぱり…俺はエースの器じゃなかったみたいです… 先輩のようなヒーローには…」 「違う!お前のせいじゃない!」 創地が勢いよく立ち上がった反動で、パイプ椅子がバタンと音を立て横たわった。 「俺が…お前に押し付けすぎたせいだ… 本当なら、俺がそっちに入るはずだったのに…」 創地の手の爪が食い込む程固く拳を握った。 その姿が風間には8年前、葬儀場で見た創地の姿と重なった。
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