65人が本棚に入れています
本棚に追加
創地が現場である2階建ての家に駆け付けた時、既にパトカーが数台停まっていた。
「中の子供は無事か?」
車から降りた創地は急いで現場に居た一般警察官に状況説明を求めた。
「こ、子供ですか…?
両親はリビングで縛られたまま人質にされている様なのですが、犯人とも連絡が付かない状況で…
家の中の様子を知る能力者も居なくて…」
創地に声を掛けられた警察官も、対応の仕方がわからず、現場はパニック状態だった。
「この犯人が連続強盗犯だったとしたら、逃走する時に家を燃やして証拠を消す。
だが、今回は逃げる前に囲まれてる。
少なからず、この状況には動揺してるはずだ。」
そう言いながら、創地は建物の内部までも察知できるサーモグラフィカメラを創造し、家に向けた。
そこに写った犯人と思わしき人影に発砲しようと考えていたのだ。
しかし、体温として認識されたのは1人、子供と思わしき小さな蹲った影のみで、そこから離れた1室が真っ赤に変色していた。
「まずい…!直ぐに消防車を呼べ!」
創地は周囲に叫んだ。
「1部屋が既に燃えている!」
その声と同時に、状況説明をしていた警察官が慌てながら後ろに下がった。
最初のコメントを投稿しよう!