65人が本棚に入れています
本棚に追加
「燃えてる以外の中の様子は?」
その声に後ろを振り向くと、鷲見が立っていた。
「わ、鷲見さん…何で…?」
「ぼーっとしてる暇無いだろ。
中の状況説明しろ。」
「サーモグラフィで1階の左端に子供と思われる影が映ってました。
右端の1室が真っ赤な状態で何も見えません。
推測ですが、2人の人質はその1室に居るかと。
それと、犯人は警察官の恰好を…」
そう説明していた時、家の右側からバーン!!!と耳を引き裂くような爆発音が轟き、窓ガラスの破片が飛び散った。
「お前、犯人見たんだな。
じゃあ俺がここ引き継ぐから、さっさと行って来い。」
「しかし!追うなら鷲見さんの能力の方が!
それに、今の爆発…」
「犯人の顔見たんだろ?
それに、課長の命令にひよってたけど、俺だってヒーローなんだよ。」
そう言いながら鷲見はスーツの上着を脱ぎ捨て、創地の肩をいつものように軽く叩いた。
しかし、掛けた言葉はいつもと逆の言葉だった。
「捕まえてこい。」
最初のコメントを投稿しよう!