65人が本棚に入れています
本棚に追加
「鷲見さん…すみません。」
創地はそう言い残し、犯人を追う為その場を離れた。
翌日。
ニュースや新聞には、“連続強盗犯 逮捕”と“人質の子供 無事救助”の文字が大々的に映し出されていた。
しかし、2人の英雄は、もう二度と肩を並べる事は無かった。
犯人はあの爆発から20分後、逃走していた所を創地によって取り押さえられた。
しかし、創地が現場に戻った時、2階建ての建物は既に全焼していた。
「わ、鷲見さんと中の人質は!?」
鑑識を行っている警察官に創地は掴みかかる勢いで訊ねたが、鑑識官は気まずそうに目を逸らした。
「こ、子供は無事特殊警察官の方に救助されましたが…
その救助した特殊警察官の方と2人の遺体が確認されました…」
聞きたくない言葉は、何故か人間の脳で鮮明に響く事がある。
創地も、最後の言葉だけがやけに頭の中で木霊していた。
「う、嘘だろ…」
創地が膝から崩れ落ちた時、焦げ臭さと同時に多くの感情が相まって吐出しそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!