第6章 平和

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「鷲見さん…すみません。」 創地はそう言い残し、犯人を追う為その場を離れた。 翌日。 ニュースや新聞には、“連続強盗犯 逮捕”と“人質の子供 無事救助”の文字が大々的に映し出されていた。 しかし、2人の英雄は、もう二度と肩を並べる事は無かった。 犯人はあの爆発から20分後、逃走していた所を創地によって取り押さえられた。 しかし、創地が現場に戻った時、2階建ての建物は既に全焼していた。 「わ、鷲見さんと中の人質は!?」 鑑識を行っている警察官に創地は掴みかかる勢いで訊ねたが、鑑識官は気まずそうに目を逸らした。 「こ、子供は無事特殊警察官の方に救助されましたが… その救助した特殊警察官の方と2人の遺体が確認されました…」 聞きたくない言葉は、何故か人間の脳で鮮明に響く事がある。 創地も、最後の言葉だけがやけに頭の中で木霊していた。 「う、嘘だろ…」 創地が膝から崩れ落ちた時、焦げ臭さと同時に多くの感情が相まって吐出しそうになった。
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