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「じゃあ何故他の班員を出動させなかったんですか…?
班員を出動させていれば、人質も助かっていたかもしれないのに…」
「おいおい。責任転嫁しないでくれよ。
これだからエリートヒーローは。」
物井は鼻で笑いながら創地を見下すように背もたれへ寄りかかった。
「どうせ出動命令出したところで、君達は言い訳作って出動しないだろう?
そして危険な仕事を一般警察官に押し付ける。
君達ヒーロー擬きの意見を尊重してやった命令だ。
私の何が悪い?」
そう言いながら、物井は悪びれる事も無くベラベラ語りだした。
「そんなに自分は悪くないって主張したいなら、使い物にならなかった先輩のせいにすればいいじゃないか。
君が邪魔で邪魔で仕方ないから監視役として鷲見君を入れたのに、まさか君に流される程のバカとは想定外だったよ。」
(姑息な真似する奴等が多いんだから、”後輩”が標的にされたらどうすんだ?)
物井の言葉に、創地は鷲見の忠告が頭を過った。
あの言葉はただの忠告では無かった。
既に標的とされていた先輩からの、”後輩は守れ”という忠告だったのだ。
「ま、まさか…!
鷲見さんを脅したのか!?」
「脅してたなんて人聞きの悪い。
ただ、創地君が変な事したら先輩として責任とるよう言っただけだよ。
当り前の事だろう?
まぁ、今回の件で勉強になったじゃないか。
“ヒーロー擬き”がヒーローごっこしたって無意味だと。」
(課長の命令にひよってたけど、俺だってヒーローなんだよ。)
創地の中に鷲見の言葉が木霊する。
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