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「それで、教えてくれるよね?」
ちっ、覚えていやがったか
ずっと任務してたから忘れたと思ったのに
「はいはい。一応結界張るよ。あと絶対に他人言わないで、約束して」
「言っちゃいけないんだね、わかった」
はあ、緊張するね
流石にころっと手のひら変えて拒絶何てことはないだろうけど
「…私は、異世界人なの」
「え?あの勇者召喚とかのと同じということかい?」
「そうだよ。私は今年勇者召喚が行われることを知っていた。だって私がここにいるのはあの二人に巻き込まれたから。いや、巻き込まれたというよりは事故なんだろうけど…それで私は勇者召喚の一年前にこの世界に来た。まあそんなところだよ」
「異世界ねえ…家族がいないのもそういうことか。玲邦がいた世界の人間は魔力をたくさん持っていたのかい?」
「いや、そもそも魔力も魔法も存在しなかった。物語の中だけにしか出てこなかったし」
「へえ、魔法がないなんてどうやって生活していたんだい?」
「科学技術が発展していたから…例えばこれ、スマートフォンといって調べたり電話…これを持っている人どうしで会話したりゲームをしたり。取り敢えずいろいろできるの」
「凄いね!僕もその世界を見てみたいな…」
「画像ならあるけど見る?」
「いいのかい?」
「はい、これとかこれとか」
「へえ…」
画像に夢中になったか
引かれたりしなかったからよかった
興味津々って感じだけど…
技術はともかく環境はこっちの方がいいと思うけどな
資源の減少、地球温暖化、乱獲による絶滅
人間全体としてみても弱くなっている
絶滅するのもそう遠くない
自然に溢れたこの世界の方がいいでしょ
まあ戻れるなら私は日本がいいけど
それにしてもこいつずっと見てんな
飽きないもんなの?
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