付き合っている…らしい

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「しーちゃん、お疲れさま♪」 陸上部の練習を終え、更衣室に向かうと、1つ後輩の小平南(こだいらみなみ)が、既に制服に着替え、待っていた。 『南…。毎回言うけどさ、本当に待ってなくていいから。』 「しーちゃんは、またそういうこと言うー。」 膨れっ面の南さん。 まぁ、その表情は、ちょっと…可愛いけど。 『ゴメン、すぐ着替えて来るから。』 「うん、待ってるね♪」 謝り、そう言うと、南はたちまち機嫌を直し、いつもの笑顔に戻った。 わたしの名前は上条忍(かみじょうしのぶ)。 陸上部。 この、芸名みたいな名前が好きになれない、中学三年生だ。 そして、南とわたしは、女の子同士だけれど、付き合っている…らしい。 彼女はわたしの、年下の恋人だ。
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