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「今日も一緒に帰れてよかったー。」
並んで校門を出た南は、隣で満足げだ。
『それはそれは…。』
「出た!本当にしーちゃんは素直じゃないよね。結構わたしのこと好きなくせに…。」
『いやいや…。何それ?』
「もういいですー。いつものことだし。」
そう言って南は、わたしの左腕に自分の右腕を絡ませた。
『送ってくよ…。』
「大丈夫大丈夫。まだ明るいし…。」
『いや、待たせたし…。送るから。』
「うん…。分かった、ありがとう♪」
何故か、わたしと南の関係は、全校生徒公認のようなところがあり、今もこうして普通に、腕を組んで歩いている訳だけど…。
「しーちゃん、送ってくれてありがとう♪」
『うん…。』
「明日、お家に行くね。」
『分かった。じゃあ…。』
少しだけ遠回りをして、南を送り届けた。
バスケット部の南に、クリスマスに告白されて付き合うようになってから半年。
わたしは、すっかり南のペースに流されてしまっている状態。
まぁでも、それが嫌かと言われたら、決して嫌ではなくて、むしろ心地好かったりもして。
うーん、上手く言えないけど。
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