付き合っている…らしい

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翌日、土曜日昼過ぎ。 「おじさん、こんにちは♪」 『おぉ…南ちゃんいらっしゃい♪忍なら部屋にいるから。ゆっくりしていくといい。』 2階の自室で、ライトノベルを読んでいると、庭でのやり取りが聞こえて来た。 「おじさん…。今日、おばさんは?」 「ちょっとおばあちゃん家に行ってるけど、すぐ戻るよ。」 「分かったー。お母さんにクッキー持たされたから、おばさんに渡そうと思って…。」 “何だろう、このやり取り…。 いつの間にこんなに距離が近くなった? わたしの両親と??” そんなことを考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。 「しーちゃん、入るね。」 『うん。』 スキニーデニムにチュニック姿の南が顔を出した。 「やっぱり本読んでた。しーちゃん本当に本好きだよね?」 『あぁ……まあね。好きだけど。』 話しながら、壁にもたれベッドに座るわたしと向かい合うように、南は勉強机の椅子に座った。
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