274人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、土曜日昼過ぎ。
「おじさん、こんにちは♪」
『おぉ…南ちゃんいらっしゃい♪忍なら部屋にいるから。ゆっくりしていくといい。』
2階の自室で、ライトノベルを読んでいると、庭でのやり取りが聞こえて来た。
「おじさん…。今日、おばさんは?」
「ちょっとおばあちゃん家に行ってるけど、すぐ戻るよ。」
「分かったー。お母さんにクッキー持たされたから、おばさんに渡そうと思って…。」
“何だろう、このやり取り…。
いつの間にこんなに距離が近くなった?
わたしの両親と??”
そんなことを考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「しーちゃん、入るね。」
『うん。』
スキニーデニムにチュニック姿の南が顔を出した。
「やっぱり本読んでた。しーちゃん本当に本好きだよね?」
『あぁ……まあね。好きだけど。』
話しながら、壁にもたれベッドに座るわたしと向かい合うように、南は勉強机の椅子に座った。
最初のコメントを投稿しよう!