付き合っている…らしい

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南の、人との距離の取り方は絶妙だ。 パーソナルスペースなんてお構い無し。 わたしの場合、気付いたら当たり前に隣にいた。 でも、それが全然嫌な感じがなく、スルッと懐に入って来て、自分の居場所を作ってしまうところが凄い。 友達ともそうなのだろう。 南の、明るく天真爛漫で裏表のない性格。 そして距離の取り方。 だから南は、男女問わず友達が多いし、後輩にも慕われている。 それ故に、わたしとの関係も、 「小平さんなら有りだよね…。」 と、暗黙の了解のようになっているんだろう。 「しーちゃん、何難しい顔してるの?わたしの顔、何か付いてる?」 いつの間にかわたしは、ライトノベルから顔を上げ、南を凝視していたらしい。 『別に何も付いてないよ。ただ、今日も可愛いなぁ?…と思っただけ。』 「……。」 ライトノベルに視線を戻す。 『しーちゃん……。』 「何…?」
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