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「それがどうしてこんなことになってしまうのかなぁ」
一般的に鬼と呼ばれる容貌は金棒を持った筋骨隆々の姿が想像出来るだろう。
だが、現実は。
「ええい、胸を押し付けるな。ババア‼︎ おっぱいが柔らかいのが逆に嫌なんだよ」
俺にしなだれかかっていた鬼はしわくちゃ混じりの老婆だった。
「あらやだ、恥ずかしがってるのね」
鬼ババアの顔が嬉しそうになる。
「照れてねえし、なんだよここは」
子供は行っては行けないような大人のネオン街にあるピンクのお店。ここが地獄とは言っても現世では誰も信じないだろう。
「えぇーそんなこと言われても、自殺した人は地獄行きだからねぇ。そう結婚の行き遅れた鬼女の相手をするのが刑だもんね」
「肉便器か、俺たちは」
「まあまあ、そんなことはさておき、さあ今日も夜を一緒に過ごしましょうね。あんた本当にババア殺しな顔をしてるわ。特別にババアの黄金の聖水を飲ませてあげる」
「普通の女でも勘弁してくれ。もうお前の趣味に付き合うのは嫌だー‼︎」
「おっほほほ。このウブな感じ。調教して屈服させるのが楽しみだわ」
鬼ババアはすっぽんドリンクを飲みながら俺を引きずった。
しかし。
「そこの罪人引き取らせて貰おう」
俺の足元が光り、ネオン街の下へと潜っていった。
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