『彼方に見える山は懸想をする』

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「それで、何でしたっけ。彼方の山は……」 「『彼方に見える山は懸想をする』よ。こんな少しの情報も覚えられないの?」 「その周りの情報量が多過ぎたんですよ。それで、その言葉がどうしたんです。それもベタ問とやらの一つなんですか?」 「これが小説の書き出しならその可能性もあったかもしれないけれど、違う、ということだけ言っておくわ」 「何でドヤ顔しているんですか。で、正解は何です?」 「『思考の放棄は人生の放棄と同義である』という言葉を知っているかしら?」 「二問目にいかないでくださいよ」 「ちょっと、ここは『偉人の名言ですか?』からの『えぇ、私という偉人のね』の流れでしょうに」 「先輩には変人で十分ですよ」
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