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外は熱された空気がまとわりつくような暑さで、少し歩いただけで汗がポタポタと落ちてきた。
あまりの暑さと落ちてくる汗に耐え切れず、私は校門付近の木陰に逃げた。
カバンからタオルを出し流れる汗を拭きとりながら周りを見てみる。
ほかの木陰では、T高校の夏用の制服である半袖のブラウスに赤いリボンをした一年女子や、私と同じ緑のリボンをした二年女子が、それぞれグループになって楽しそうに駄弁っているようだ。
ふうっと息を吐く。
息苦しい。
でも、あの学校に、あのクラスにいるほうが、ずっと息苦しい。だからこのくらい大丈夫。
少し休んだおかげで暑さにも息苦しさにも慣れてきた気がする。私は朝に買った麦茶をひと口飲み、タオルと一緒にカバンにしまうと、河川敷を目指してまた歩き出す。
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