2.遭遇

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「あの」 「?はい」 「俺、仁科保って言うんだ」 「はい?」 「あの、仁科保」 「聞こえてます」 「うん」 何こいつ的な顔されてるな。 「すみません、後のお客様がお待ちですので」 「えっ?あ!すみません!」 慌てて支払い、レジ前から退く。 でも、折角なら顔見知りくらいにはなろうと思って。 「八樹!」 「っはい!?」 レジの店員が慌ててこっちを見て、首を傾げた。 相手は俺を知らないんだから、当たり前。 そう言う俺も、真正面からは、今日初めて見たけど。 「俺も、ワタチョの調理師学科1年なんだ。これからよろしく!」 「は?え!う、うん?」 度会調理大学調理師学科1のB。 ABとも、50人ずつ居るから、今日入学した所で俺を知ってるはずない。 突然で理解してないだろう八樹に手を振る。 一応、少しだけ振り返してはくれた。
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