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「あの」
「?はい」
「俺、仁科保って言うんだ」
「はい?」
「あの、仁科保」
「聞こえてます」
「うん」
何こいつ的な顔されてるな。
「すみません、後のお客様がお待ちですので」
「えっ?あ!すみません!」
慌てて支払い、レジ前から退く。
でも、折角なら顔見知りくらいにはなろうと思って。
「八樹!」
「っはい!?」
レジの店員が慌ててこっちを見て、首を傾げた。
相手は俺を知らないんだから、当たり前。
そう言う俺も、真正面からは、今日初めて見たけど。
「俺も、ワタチョの調理師学科1年なんだ。これからよろしく!」
「は?え!う、うん?」
度会調理大学調理師学科1のB。
ABとも、50人ずつ居るから、今日入学した所で俺を知ってるはずない。
突然で理解してないだろう八樹に手を振る。
一応、少しだけ振り返してはくれた。
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