3.左隣

1/8
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ

3.左隣

翌日、朝。 お隣さんの生活音で目が覚めた。 「…やっぱ、壁薄いんだな」 それは、まぁ承知の上で入ったわけだけど。 お金と通学距離の妥協点だったから仕方ない。 それより気になったのは、 「…泣き声?」 水道らしき水音に混じって聞こえる押し殺したような泣き声? しかも、若い男っぽい。 そう言えば、左隣だけ挨拶出来てないんだよな。 何回か行ったけど、いつも居ない。 何してる人なんだろ? かと言って、今行くわけにも行かないしな。 配ってるの白いタオルだからちょうど良いんだけど、面倒臭そうだし。男だし。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!