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恋したアナタと時の狭間で
周りの景色、前をゆくイーガンさん、曾お祖父様もシャドランも、風も止まっている。すると空気さえも止まっているわけだから呼吸はどうしてるかという疑問もでてくることだろう。
安心してください。吸えますよ。
自動で呼吸が切り替わりますから。時が止まる魔術が発動すると同時に"自発呼吸"も発動。意識しないで呼吸が切り替わるという便利なオプションが付いているから、自分で自分の首を絞めるという間抜けなことにはならないのだ。
さて、そんな中で私は白髪お兄さんに近づく。
何もかも止まった世界で、お兄さんだけをどっかに攫おうという魂胆である。人目のつかないとこまで行ったら【時操魔術】を解除すればいい。そしたら邪魔されずに話出来るでしょ。
だけど、そんな私の浅はかな願いは直ぐに打ち砕かれた。
驚いたことにお兄さんは私をみて「君は……」と言葉を発したのだ。
「え!動けるの?!」
「これは君の仕業か…リリエイラ・ブロドウェン…君は……」
なんということでしょう。
私の切り札なのに、白髪お兄さんに効きません。
この神器不良品じゃねえの千年保証は嘘かオッサンめえええと憤怒したとこで、
『んなわけあるか!そいつが……と、電話だ。また後で』
と例のオッサンの声が木霊した。
だがしかし肝心なとこでリンクは切れる。なんだよ、もう。
「なぜかアナタには効かないみたいだけど、これでゆっくりお話ができるね。
お名前教えてください」
とりま話をしよう。
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