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ある日、一通の手紙が届いた。
差出人の名前も住所も書いてない無名の手紙。
普通差出人の名前もないのはどことなく不気味なものだが私はこの手紙を不思議と不気味には思わず、逆に無意識に封を開けていた。
封筒に入っていたのは一通の手紙。
書いてあるのは私の17歳の誕生日を祝う祝福の言葉と6行程度の文章だった。
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親愛なるアイリス・ステファ
まず最初に17歳の誕生日おめでとう。
この手紙が届く頃には私はもうこの世にはいないことでしょう。17歳ということは私があなたのお父さんに恋に落ちた頃ね。娘の恋愛相談を聞いたりすることは出来ないけどあなたならきっと素敵な人と出会えるわ。だって私の娘ですもの。幸せになるのよ。ずっと見守っているわ。
アン・ステファより
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どうやら手紙の主は去年亡くなった母からだったようだ。
止まることのない嗚咽といつまでも流れる涙を堪えながら何度も母からの手紙を読み返す。
見なくても思い出せるほど脳に記憶させるように何度も何度も読み返す。
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