VSコーネリアス

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VSコーネリアス

 街は悪魔の大群に押し寄せられていた。僕達を狙っていた冒険者は、押し寄せる悪魔の反乱を抑止するために武器を振るう。馬や牛に似た悪魔も、自分達を奴隷扱いした人間を襲おうとしている。建物を燃やそうと、家に火が放たれようとしている。人々は逃げる術を無くし、神に……天使に祈りを捧げるしかなかった。  僕は分からなかった。人々の悪魔を……僕を見る目は冷たく、口走る言葉も僕を侮辱するものだったから。だからと言って人々の日々の暮らしを奪っていい訳ではないと、僕の良心が囁く。  教会を出て左右を見渡すと、この前依頼をお願いされた労働区のおじさん達が悪魔に襲われていた。 「解放!!」 「俺達をよくも……!!!!」 「わかった!! 悪かったから……頼む、殺さないでくれ……!!」  悪魔がおじさんの首を掴み、おじさんは命乞いをしているが、無慈悲におじさんは殺されてしまったように見えた。  馬の悪魔が馬車を破壊すると中から沢山の悪魔が現れた。 「ありがとう……」 「礼は後だ、ここから逃げ出そう……こっちだ!」  解放された老若男女が集団を組んで、悪魔用の出入り口から街を脱出しようと移動を開始する。 「悪魔は皆殺しだ!! 詠唱準備!!」  冒険者が魔法を詠唱して脱出を妨害しようと試みている。メイジらしいローブを羽織った冒険者の足元に魔方陣が展開され、悪魔の集団を狙っている。 「私……行くね」  たぬきは神器を展開して神弓で冒険者を撃つ。矢によって数名冒険者は倒れたが、生き残った冒険者のひとりがたぬきに向かって走る。ふたつの剣を振るいたぬきを切りつけるが、たぬきのバスターソードで真っ二つに切り裂かれそうになっていた。僕は思わず冒険者をぎゅううっと抱き寄せて、フェロモン漬けにしてしまう。 「うさぎくん!!」 「だからと言ってむやみに殺すのは……僕が辛いよ……」  とろとろにふやけた双剣の冒険者を路地の隅っこに寝かせ、フェロモンでぽわぽわな体を払う。  視線を中央通りに向けたその時、あいつの姿が見えた。拳を振り上げ、僕達が立つこの道へストレートを打ち付けると、巨大な気弾が道を削りながら、悪魔へ向かって襲い掛かる。咄嗟に僕は建物の影に隠れ、やり過ごす。 「神刃!!」  たぬきは巨大な気弾の前へ立ち、神刃で気弾を真っ二つに叩き割ろうとするが、強大な力にねじ伏せられ気弾に飲み込まれてしまった。
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