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サンタクロースが何人いるか知ってるかい。みんなの心には、一人だけなよ。
でも、本当は日本担当だけで定員が、三○○人なんだ。
***
僕は、天界郵便局で配達業務をしていたが、病気になってしまった。半年ほど、病気で休職して、郵便局員に復帰した。
まずは天界郵便局長から呼び出された。辞令を受け取る。
「復帰後の職務は、サンタクロースです」
「分かりました」
天界人の能力なら、誰でもこなせる業務だが、向き不向きがある。僕はサンタに向いてない気がしたので局長に相談した。
「自分からサンタクロース向きって言う人、居ないよ。向いてないって言う君に向いているんだよ」
郵便局内の廊下を歩き、サンタクロース課に行く。部屋の扉を開ければ、僕と同じように太った人率が高い。
広い部屋に、三○○人の赤いサンタ服を着た人が、デスクに並ぶ姿は、圧巻だ。
数多のサンタの中から、やせた先輩を見つけて声をかけた。
「新しいサンタです」
「おお、新人は君か。僕はサンタを引退さ。天界での通常郵便配達業務に戻るから、後は頼むよ」
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