ローズ参上!

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ローズ参上!

「緊急警報、緊急警報!町内に奇妙な気配を察知!皆さまの中で腕に自信がおありの方は、直ちに六丁目ゆずたんけ通りまでお越しください!」 町中にベルの音と切羽詰まったアナウンスが流れる。 来たか! 私は、警戒するよりも先に驚く。 非常ベルなんて、あまりに平和なこの町ではあるかどうかすら忘れられている。 音が微妙にさび付いているのもそのせいなんだろうけど……。 「む!?警報か!?三十年ぶりだな。おい行くぞ、さくらこ!出動だ!」 掃除を終えて、ごみ捨て場に行くため巨大ごみ袋を持った私の横を、超特急でかけぬけていくのは師匠。 「えーっ!?師匠、何言ってるんですか!?今の放送聞いててください!腕に自信がおありの方は、って言ってたじゃないですか!」 「問答無用!」 師匠はそう叫ぶと、近くの部屋の障子をバアーンと開けて、ちゃぶ台を廊下まで持ってくると、いきおいよくひっくり返した。 でた! 師匠の必殺技、『ちゃぶ台返し!』 このちゃぶ台ってちゃぶ台返しに異様なこだわりのある師匠が何かと注文をつけたせいか、すっごく重いの。 おまけに大きいから威力抜群なんだけど、廊下も床も傷つくから本当やめてほしいのよね……。
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